社長は今日も私にだけ意地悪。
理由は何にせよ、社長直々に任された仕事だ。面倒臭いとか投げ出したいとか思う気持ちは一切ない。だけど、不安と緊張はある。
「本当に、社長は何故突然こんなことを決めたんでしょうか。
以前からこういう無茶なことを決定づける人だったんですか?」
ベージュ色の大きな扉の前で、エレベーターが降りてくるのを待ちながら隣にいる佐藤さんにそう尋ねると。
「いや? 少なくとも俺が知る限りではこんなの初めてだ。
無茶なことを言うどころか、いつも物腰が柔らかくて、周囲をちゃんと見ている。若くして会社を束ねる立場でありながらも天狗にならない。俺の理想だ」
理想かぁ。毒舌でちょっと冷たい佐藤さんがここまで言い切るくらいだから、社長は本当に素敵な人なんだろう。
私だって、そう思っている。
だからこそ、この決定の理由を知りたいと思うのだけれど……。
「社長のことが知りたいのなら、もう一つ教えてやる」
到着したエレベーターの中に乗り込み、二人だけの空間の中で佐藤さんが言う。
「社長は、専属の女性秘書と恋人同士だっていう噂だ」
「え?」
恋人……? まあ、あれだけ素敵な人だもの。恋人の一人くらいいるよね。
「だから、お前みたいなちんちくりんが惚れたって無駄だからな」
とんでもないことを言われたのと同時に九階へと到着し、外に出る。
「ちんちくりんって何ですか。それに私、社長に惚れてなんていません」
大学を卒業したばかりの新入社員の私が、日本が誇る大手企業の御曹司で、関連会社の社長を務める彼とどうこうなりたいなんて思い上がりも甚だしい。
勿論、社長は素敵な男性だと思うけれど……。
「本当に、社長は何故突然こんなことを決めたんでしょうか。
以前からこういう無茶なことを決定づける人だったんですか?」
ベージュ色の大きな扉の前で、エレベーターが降りてくるのを待ちながら隣にいる佐藤さんにそう尋ねると。
「いや? 少なくとも俺が知る限りではこんなの初めてだ。
無茶なことを言うどころか、いつも物腰が柔らかくて、周囲をちゃんと見ている。若くして会社を束ねる立場でありながらも天狗にならない。俺の理想だ」
理想かぁ。毒舌でちょっと冷たい佐藤さんがここまで言い切るくらいだから、社長は本当に素敵な人なんだろう。
私だって、そう思っている。
だからこそ、この決定の理由を知りたいと思うのだけれど……。
「社長のことが知りたいのなら、もう一つ教えてやる」
到着したエレベーターの中に乗り込み、二人だけの空間の中で佐藤さんが言う。
「社長は、専属の女性秘書と恋人同士だっていう噂だ」
「え?」
恋人……? まあ、あれだけ素敵な人だもの。恋人の一人くらいいるよね。
「だから、お前みたいなちんちくりんが惚れたって無駄だからな」
とんでもないことを言われたのと同時に九階へと到着し、外に出る。
「ちんちくりんって何ですか。それに私、社長に惚れてなんていません」
大学を卒業したばかりの新入社員の私が、日本が誇る大手企業の御曹司で、関連会社の社長を務める彼とどうこうなりたいなんて思い上がりも甚だしい。
勿論、社長は素敵な男性だと思うけれど……。