キミはずっと、かけがえない人
1st*時計の針が動き出す
30を過ぎてもなお、1人暮らしで独身を謳歌している私は、結婚を諦めていた。
20代の頃は、彼氏が欲しいとか、結婚したいと思っていたけど、正直それどころではなかった。
派遣社員になって、短期ばかりで回っていたおかげで、恋愛より仕事だった。
仕事が決まっても、落ち着いた頃には次を探さないといけなかったり。
まぁ、自分で選んだ道だけど。
そんな訳で、いつの間にか恋愛から遠退いていた。
今年に入ってから、久しぶりに紹介というものをしてもらった。
少しだけ、前向きに考えたからだ。
何度か一緒に出掛けたけど、気を使いすぎて疲れるだけだった。
気を使うのは普通のことなんだろうけど、それで疲れるのだから私には合っていない。
だから、いつの間にか連絡を取らなくなっていた。
それを、繋ぎ止めておこうっていう気力もなかった。
同じ市内だけど離れて暮らす母親も、同じように諦めモードだ。
20代の頃は、それこそ彼氏は?とか、早く結婚しなさいよ、とか言われていた。