キミはずっと、かけがえない人



「で、落ち着かないんだけど話しをしようか。
……私の勘違いじゃなければ、佑哉くんに見えたんだけど」

「……さすが美月。よく覚えてるね」

「そりゃあ、佑哉くんは亜依の想い人だもん。忘れる訳ないよ」



美月とは中学は別だったけど、高校入ってもずっと好きだった人だったから、彼の話しはしていた。

逢ったことはなくても、写真は見せていた。

だから、実物を見て彼だと分かったのだろう。


付き合っていた当時、美月とは連絡を取っていなかった。

そのため、リアルタイムでは知らない。

それでも、その後に色々話していた、

なかなか忘れられなくて苦悩していたことも知っている。

そして、ようやく前へ踏み出せたことも。



「別れたあと、連絡取っていなかったよね?もう、完璧に忘れたはずだよね?でも、さっきのは完全にカップルにしか見えなかったんだけどっ」

「美月、近いって」



勢い余って、隣になっちゃんがいるにも関わらず、美月が私に近づく。




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