キミはずっと、かけがえない人
「えっ…………?えーーーっ⁉」
今日1番の大声が響く。
「ママ、うるさい」
テレビを見ていた子供たちにも怒られる。
それだけ、大きな声だった。
たぶん、一緒に住んでいるなんて考えはなかっただろう。
「何で、嫌なら逃げれば……」
「私のアパートは解約されていて、実家は知られている。逃げるとこなんて、どこにもない」
「解約って……そこまでする?」
「考えが普通ではないよね。なぜか、アイツは大人しく言うこと聞いているし」
「ねぇ、結婚進められたって、佑哉くんの気持ちは?」
知らないと首を傾げた。
それは、1度も聞いたことがない。
「何で?ちゃんと聞けばいいじゃない」
それはそうなんだけど、口に出して聞けない。
心の中ではいつも思っていることだけど。