キミはずっと、かけがえない人



「一緒に住んでいるから、それはしない。気まずくなる」

「じゃあ、とりあえずは様子見でいいんじゃない?来月はクリスマスだしね」

「あ、クリスマス……」

「なに?なんかあるの?」



私の呟きに、鋭く反応する。

しかも、楽しそうに。



「イヤ、クリスマスは空けといてって言われて」

「えっ?クリスマス?やだぁ、何かあるんじゃないの?」



そう言われると期待したくもなるけど。

でも、その時深刻だったからなぁ、と思い出しながらあの時のことを美月に話した。



「意味深なことを言うね、会長も」

「だよね。言ってないにも程があるって、なんだろう」

「んー、今考えても仕方ないよ。クリスマスに話してくれるんだって」

「それも怖いんだけど……」

「クリスマスに怖いこと言わないでしょ。別れるんなら、今日にでも言うって」

「別れるも何も、付き合ってないって」




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