キミはずっと、かけがえない人
首を傾げながら電話を切る私に、美月が不思議そうに聞く。
「なんか、近くにいるからすぐ行くって」
「へぇ、近くにいるんだ」
なぜか、ニヤニヤ笑っている美月。
なんなんだ。
そう思っていると、「着いた」とラインが入ってきた。
本当に早い。
そんなに近くにいたのか。
「着いたみたいだから、帰るね」
「はやっ。みんな、亜依ちゃん帰るって」
「えー、かえっちゃうの?」
「うん、またね」
「またきてねー」
子供たちと次々とハイタッチをして、家を出る。
彼は、家の前で待ち構えていた。
「ごめん、遅かった?」
「イヤ、そんなことない」
私の後ろで、相変わらず子供たちは不思議そうに彼を見ている。