キミはずっと、かけがえない人
8th*頭を駆け巡っては消して



「今日は、普通に居酒屋でもいい?」

「いいけど、車どうするの?」

「代行で帰ろう」



そう言って、駅近くの有料駐車場に車を停めた。

そして、普通にどこにでもあるチェーン店の居酒屋へ入った。

これも珍しい。

いつも高そうな店へ入るのに。

何で今日は居酒屋なんだろう。

イヤ、高くなくていいんだけど。



「あれ?今宮くん?」



席へ案内される途中、女性の声で彼の名が呼ばれた。

でも、湖陵じゃない。

相手を見れば、可愛らしい女性がいた。



「あ、佑哉じゃん」



イヤ、女性だけじゃない。

見覚えのある顔がいくつか……。



「えっ、川崎さん?」



私に気づいた男が、驚きの声をあげる。

そんな男たちは、中学の同級生だった。




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