キミはずっと、かけがえない人
「えー、女の子と一緒にいるっ。
ねぇ、彼女?でも、本命じゃないもんね」
最初に声をかけた女性は、平然と彼にベタベタ触っている。
私がいてもお構い無しらしい。
っていうか、本命じゃないってなんだろう。
「触るな」
あまり聞いたことのない低い声で彼は言う。
そして、彼女の手を乱暴に振り払う。
その後、なぜか私の手を握る。
「え、なに?」
「汚れたから」
「ちょっと今宮くん、失礼すぎない?」
「何が失礼なのか分かんねぇ」
イヤイヤ、失礼でしょうよ。
本人目の前にして、汚れるって……。
しかも、彼女に言う時は声が低くなっていて怖いんですが。
言葉もキツイと思うし。
「なーんだ。やっぱり、この女の妄想か」
「佑哉が相手にする訳、ないよなぁ」