キミはずっと、かけがえない人
「あー、既成事実?そこまで無責任なことはしたくない。亜依の身体を傷つけたい訳でもない。
ただ、反応を見ただけ」
「ああ、そうなんだ……」
「同棲して以降、ほとんど一緒にいたから分かるだろ。他に女の気配がないって。休みの日もほぼ一緒にいたし」
「……確かに一緒にいたけど」
「平日だって、仕事終わったらすぐ帰って来たし、飲み会あってもちゃんと報告してた。
そもそも、会社の飲み会では、亜依の存在を知ってる人はいるし。下手なことは出来ない。すぐじいさんの耳に届くから」
「監視されてるみたいだね」
「別に、監視されていようとやましいことはないけど。
以前のこと考えると信用ないのは分かるけど、今の俺もちゃんと見てよ」
確かに、以前から14年も経って変わったと思う。
女の話しは一切しなくなったし、大切にされてるのも分かる。
だけどね、怖いんだよ。
また裏切られるのは。
「大丈夫。今回はもう、反対する人はいない。亜依があきない限り、別れることはない」