キミはずっと、かけがえない人
11th*全部、キミにあげる
「……え?結婚?」
色々あったクリスマスを終え、多忙な年末年始を終えた新年の仕事始めの日。
朝から所長に報告すると、目を丸くしている。
まぁ、そうなるんだろうな。
ここで、1番事情が分からないのは所長なんだから。
そうはいえ、今事務所にいるみんなが驚いているけど。
「はい。とりあえず、入籍しただけですが」
「あ、そう。えっと、おめでとう」
「ありがとうございます。それで、非常に申し訳ないのですが、仕事を辞めないといけなくて……」
「えっ?何で?」
「相手が、湖陵の次期社長なんです」
「……はっ⁉」
1番の驚いた声が出た。
会長のじいさまとは逢っていて親戚だとは言ったけど、彼の存在を所長は知らないから。
他の人たちは、やっぱりとか思っているんだろうな。
「ただの親戚じゃなかったんだ。それなら、仕方ないか。辞めて、湖陵に入るの?」