キミはずっと、かけがえない人
代わりは、同じく派遣でもいいと思うけど。
私だって、こうなってしまえば長くいるつもりはない。
まぁ、こう思っていても、判断するのは所長やそれ以上の人たちだけど。
それから一週間後、私はなぜか居酒屋にいた。
「じゃあ、川崎さんの結婚を祝って、乾杯ー!」
「乾杯ー!」
会社の飲み会だったけど、名目は私の結婚祝いらしい。
報告してまだ一週間なのに、やることが早いな。
「散々、ただの親戚だって言ってたのに」
「結局、結婚したんだ」
案の定、そんなことを言われる。
「でも、式は?何で入籍だけしたの?」
「え?そこ、気にするとこですか?」
「だって、普通は式と入籍って一緒じゃない?」
「まぁ、そうかもしれないですけど……。色々と事情があるんですよ。相手は、次期社長ですからね」
「そうだよなぁ。川崎さん、社長婦人になるんだね」