極上社長とのスイーツレシピ。
あんなに刺激的な事があった後だと
日常がさらに地味に見える。
やっぱり。あれは、夢だったのだろうか?
「どうしたのよ?随分とため息を吐いて。
昨日は、楽しみにしていた
お菓子教室ではなかったの?」
同僚で友人の津田紗奈恵(つだ さなえ)が
そう聞いてきた。
「うん。凄く楽しかったよ。
ドキドキして」
「えっ?いい人でも居たの?」
「……うん。ちょっとね」
昼休みに私は、紗奈恵にその事を話した。
近くのカフェでランチをしながら
「えぇっ!?あの……桐生社長と
スイーツを作ったの!?」
もちろん驚かれたけど……。
「うん。今でも夢ではなかったのかと
思うのよね……」
普通なら社長と話せることなんてない。