極上社長とのスイーツレシピ。

あぁ、生地が!?

落ちたボウルが傾いてひっくり返ってしまった。
慌てて拾うが生地は、ダメになってしまった。

そんな……せっかく上手く作れたのに。

「ごめんなさい。よろめいちゃって……」

ぶつかってきた女性は、謝ってくれたが
口元は、ニヤリと緩んでいた。

ワザとだ……。

「いえ……」

どうしよう。

どちらにしても生地がダメになってしまったのには、
かわりない。

私は、泣きたくなってしまう。

涙が溢れていると社長が私を立たせてくれた。
そしてハァッとため息を吐きながら

「これぐらいのことで泣くな。
生地なんて、また作ればいいだろう」

怒るどころか、そう言ってくれた。

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