彼と愛のレベル上げ
自分から初めて主任に触れてしまった事に急に恥ずかしくなって、パタパタと音を立ててキッチンに逃げてきた。
その頃寝室で主任が放心状態でいたことなんて気付きもしなかった。



     *****



念願の朝ご飯を主任に食べてもらう事が出来てほっとしていると


「モモは朔也の料理教室に行ってるんですよね?」

「あーはい、なかなか上達しませんけど……」

「そんな事ありません、おいしかったですよ?」


主任においしかったと言ってもらえてすごくうれしかった。
朔也さんにもちゃんと報告しないとね。


「……それは…一人で行ってるんですか?」

「え?望亜奈さんと一緒で終わった後はいつも朔也さんたちとお茶してから帰るんですよ」

「他にも誰か?」


いとこに迎えに来てもらっているなんて子供だなんて思われるかな?
だけど、嘘ついても朔也さんも知ってるからすぐにばれちゃうし。


「あー……潤にぃが迎えに来てくれてるので一緒に」

「…潤、あぁあのいとこの方ですか……」


あ、れ?
なんかまずい事言った?


「いつもモモの近くにいられる彼が羨ましいですね……」

「や、あのいつもっていうか、その料理の時ぐらいで。そんな……」


そんな、の後私は何を言うつもりだった?
いくら主任が羨ましいって言ったって、まさか主任が焼きもちなんて妬くわけがない。
なのに、私はどれだけ図々しくなってるんだろう。


「羨むというよりも軽く嫉妬でしょうか」


――嫉妬?主任が?


「アヤノが言ってたでしょう?そのうち監禁しそうだと。まんざら嘘じゃないですからね、出来る事ならモモの事閉じ込めて置きたいぐらいなんですから」


ちょ、それっ。だから犯罪っ
しかも軽く笑みさえ浮かべて言っている主任って……


「まぁ実際はそこまではしませんが、嫉妬ぐらいは普通にしますから」

「あのっでも、ほんとにそういうんじゃないんですっ」

「わかってますよ、モモの気持ちは」


だって潤兄はいとこだ。
私にとって潤兄はそれ以上の事はない。
それを主任は理解してくれているというのに嫉妬って?


「え、と?」

「モモは悪くないですから。大丈夫です」

「…はい」


何が大丈夫なのかわからないけど、このままでいいってことなのかな?
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