彼と愛のレベル上げ
潤兄が常連なのか、バーテンダーの方と知り合いなのか。
私なんてそっちのけでその人と話をしている潤兄。

当然私の目の前に置かれたお酒は進むわけで……


「なにか、お作りしましょうか?」


と、こうなる。

弱めの甘いお酒をオーダーしていた私に潤兄は当然のように


「こいつ、それより強いのダメだから」


やっぱり子供扱い。


「これでも結構飲めるようになったんだよ?」

「前みたいにバカ飲みしないんならいいけどな」

「しませんっ。あの時の事はすっごく反省したんだから」


潤兄にだって迷惑かけたし、私だってそんなに同じこと繰り返さない。
いくら明日が休みって言ったって……


「では、同じのをお作りしてもよろしいですか?」

「あ、はい。お願いします」


潤兄とのバカみたいなやり取りを目の前でバーテンダーの人に見られてた。
随分子供っぽい子と来てるんだなって思っただろうなぁ……


「桃さ、」

「ん?」

「あーやっぱいいや」

「なによ、潤にぃ。気持ち悪いじゃない」

「いや、あれだよ。うまくいってんのか?例の奴と」


例の奴。
潤兄ったら、いまだに主任の事アイツとか例の奴とかそんな呼び方しかしてくれない。
何が気に入らないんだろう?


「おかげさまで。程々に」

「ほどほど?なんだよ、それ」

「だって潤にぃ、しょっちゅう会えるわけじゃないのにラブラブですなんて言えないし。」


ましてや、もやもやしてますだなんてもっと言えない。
……だから程々に。

うまくやろうと努力はしてる。
だけどそれも空回りなことも多いままだ。

そんなこと潤兄に言ったところでどうにかなる話でもない。


「ふぅーん、まぁ、引越ししないとこみるとまだ大丈夫ってことだな?」


何をもって大丈夫なのかはわかんないけど。
今は引越しをしなければいけないような事態にはまだなってない
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