彼と愛のレベル上げ
はぁあああああ。


「だから桃ちゃんやめてってそういうため息」


やめてって言われても、出ちゃうものは仕方がない。それに、


「…なかったことにできないですかねー?」 

「何、言ってんのよ」


デスヨネ。
わかってますよ、言ってみただけです。でも、


「これからも潤にぃとはずっと親戚なんですよ?」


うちのお母さんと潤にぃの母親はすっごく仲いい姉妹だし。
十年間ほぼ会わなかったとはいえ、最近ではしょっちゅう……


「あ、」


そういえば、何で潤兄と十年も会わなかったんだろう?
親戚の集まりには潤兄も来ていたはずなのに、なんで?


「どうしたの?」

「私が高校に入学してから潤にぃとあまり会わなくなったんですけど。それって潤にぃが大学生になって独り暮らしはじめたからですよね?」

「その辺は詳しくは知らないけれど」


大学時代から住んでる場所変わってないっていうし、今は普通にうちにもきてる。
最近急に会う機会が増えたのは、潤兄が昔みたいに伯母さんについてくるようになったからだ。
でもそれってなんで?


「望亜奈さん。考えれば考えるほどわかりません」

「いつからって答えはそのへんにありそうね……」

でもそんないつからとかそんな事がわかったところで私は


「聞かなかった事にできないですよね……」


やっぱりこの言葉しか出ない。


あれから潤兄と連絡を取っていない。

もともと用事がある直前にメールしてくるだけで、電話もほぼしてこない。
料理教室の時も会っている時に日にちを確認してその日に迎えに来てくれているだけ。

出来ればしばらく会いたくないぐらいなんだけどな。
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