彼と愛のレベル上げ
朝起きて携帯を見れば、主任からのメールと着歴。


あーお風呂から上げってそのまま寝ちゃったんだ、私。


十一時の着歴ってことは、たぶんお風呂からあがった直後。

全く気付かずにそのまま寝て、零時のメールにも全く気付かなかったってことか。

慌ててメールで気付かないで寝ていた事を謝った。


~~~♪


『モモに何かあったのかと心配しました。無事でよかったです』


主任からの素早い返信を見て、心配をかけてしまった事を申し訳なく思う。

本当は電話で話したいところだけど、朝のこの時間にそれはできない。


あーもう、何で寝ちゃったんだろ……


昨日の寝てしまった自分に文句を言っても仕方がない。

急いで仕事に行く準備をすると家を出た。








     *****




朝、ロッカールームで望亜奈さんを捕まえランチの約束をし、午前中の業務を終えるといつものお店に一緒に向かった。


「それで?今日の相談は何?」


私が望亜奈さんを捕まえるときはいつも相談だからわかっていたみたい。

でも今日は相談と言うよりは


「あの、望亜奈さんて花嫁修業ってしました?」

「は?」

「あ、あの。結婚する前に花嫁修業ってするものなんでしょうか?」


一度結婚している望亜奈さん。
その時はどうだったのか。


「あぁ。昔はお茶とお花とお料理って感じだったみたいだけどね」

「望亜奈さんは?」

「まったく何も。」

「何も?」

「だから離婚したのかもね?」


そんな自虐的な事を笑いながら言う望亜奈さん。

そんな事はない。一緒に行っている料理教室だって、望亜奈さんは手際よく何でもこなしている。


「桃ちゃん、お料理習ってるじゃない。十分じゃない?それで」

「でも……」

「なに?それとも具体的な話になった?」

「望亜奈さんっ」


すがるように望亜奈さんの手を握る私。


「…なに。怖い。桃ちゃん」

「ひどい……えと、主任のご両親にご挨拶とかいう話になって。いやそれは延期になったんですけど。でも。なんかこう、具体的に進んでて。それで私」

「別にいいと思うけどね?桃ちゃんはそのままで。それより、ご挨拶したならそのあとは早いわよ?ここ一年で決着が付く感じね」


一年で決着?
それって一年後には結婚てこと???
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