彼と愛のレベル上げ
今日は金曜日。

この日のために残業してたけど、今日の業務が終われば主任に会いに行ける。

大きな荷物で出勤するわけにもいかないから、準備をすべて終えて玄関に置いてきた。

いつもなら寒いと感じるこの通勤の時間も寒さをあまり感じないぐらいに浮かれてる。



事務所についてロッカールームで着替える。 

望亜奈さんは昨日はお休みの日だったから、今日はお料理教室のレシピもらえると思うんだけど……


豪華に見えて簡単なものを考えてるって朔也さんが言っていたからレシピを見て出来そうだったら無謀にもチャレンジしちゃおうかなんて思ってるんだけど。

近くにいるカウンター業務のスタッフに声をかけて聞いてみると望亜奈さんは遅番だからまだ出勤していないらしい。

ともかく、今日は残業になるわけにはいかないし、気合を入れて自分の席に向かった。


お昼を取る間も惜しむように書類の処理を進めていく。

そんな私を見ていた同僚がなんかあったの?なんて聞いてきたけど、今日は用事があるから早く帰りたいって事だけはアピールしておいた。



そして望亜奈さんが出勤してきたのは午後休憩のちょっと前。

休憩時間になると私はすぐにロッカールームに向かった。


「望亜奈さん、おつかれさまです」

「あー桃ちゃんおはよー」


おはよーって時間でもないけど、今はこの際そんな事はどうでもいい。


「あの、どうでした?クリスマスメニュー」

「あぁすごい簡単だった。たぶん桃ちゃんもレシピ見ただけで作れると思うよ」


とはいえ、私と望亜奈さんでは手際とかが全然違うし。
何か補足とかしてくれると嬉しいんだけど。


「ほんとですかっ、あの注意事項とか…」

「私が気になる事をメモしておいたから。それも一緒にはいってるから見ればわかると思う」


さすが望亜奈さん。
そういうのはやっぱりぬかりない。


「ありがとうございますっ望亜奈さんっ」

「あーそれと…


急に顔を曇らせた望亜奈さん。
なんかあったのかな?
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