彼と愛のレベル上げ
「いいから行くぞ」
潤兄はそう言うとさっさとエレベーターに乗り込んでしまった。
「待って、潤にぃ…」
急いでエレベータに乗る。
けど、話って?
わざわざこんな時間に約束もせずに出向いてまでする話?
それに潤兄を連れて行ったら……
横にいる潤兄を見る。
まっすぐと前を向いて立っているだけ。
何を考えてるの?
「えと、……ほんとに、行くんだ、よね?」
「切符買ったしな」
本気、なんだ。
でも、
「話って、今日じゃなくても……」
「俺が話があるんだから俺が行くのは当然だろ?」
「だから、話って……?」
わざわざ東京まで行ってするほどの話?
「だから別についでだよ、桃を送ってくのは」
「でもっ、」
いつのまに買ったのか、切符を渡されて改札に向かう。
「あ、潤にぃ、お金。」
「あぁ、いいよ。ネットで買ったしいくらかわかんね」
さっき待ってる間に携帯で予約したってこと?ほんとに、やる事早い。
「でも、」
「ほら、電車来た。あぁ、桃メシまだだよな?」
「あ、うん。あー私が買ってくる!」
お弁当屋を見つけて二人分を買い、飲み物を買うと潤兄のもとに戻った。
「ごめん、お待たせ」
「じゃ、行くぞ」
電車に乗り、席を確認して座る。
「桃、携帯かして」
「ん?潤にぃ充電きれた?」
不思議に思いながら、携帯を渡す。
潤兄は携帯を受けとるとすぐに何か操作し出した。
「さんきゅ」
そのまま返されて「あいつに連絡しておいた」という潤兄。
「しまっとけよ」
えっ?
っていうか、ええええ?!
なんてメールしたの?
それが知りたくて携帯を見ようとしたのに、
「いいから」
潤兄に止められて、鞄まで取り上げられた。
なんで。
潤兄、なんか今日はいつもよりもなんていうか、……