彼と愛のレベル上げ
愛する気持ちを教えて下さい
日曜日。

目が覚めたのは十時過ぎ。

ジュンさんの予告通りにお寝坊してしまった。

いや、でも。寝たの朝方だったし……

だるい体を起して身支度を整える。

この家に来てもいつも起きた瞬間はベッドに一人。ジュンさんはとっくに起きてコーヒー飲んでたりする。

ジュンさんて普段から睡眠時間何時間なんだろ……

休みの日も同じように起きるって言ってた。だとすると今日は二、三時間しか寝てないことになる。

大丈夫なのかな?


私が来る事で睡眠時間を削らせてしまっているのは明白で、申し訳ない気持ちになる。

私といる事で十分充電になってるなんて前に言ってたけど……


身支度を整えると寝室のドアを開けるとコーヒーの良い香りがしてきた。


「モモ、おはよう」

「あ、おはようございます」


特に眠そうな感じもなく、いつもとかわらない様子で挨拶をするジュンさん。


「コーヒーを飲んでゆっくりしてから出かけましょうか」

「はい、ありがとうございます」


朝起きていつもお寝坊してすみませんと謝っていたら、どうせならお礼を言ってくださいと言われた。

たしかに、朝一番に謝られるよりもお礼を言われた方が気持ちがいい。

こういうちょっとした事だけれど、二人のルールができるみたいで嬉しかった。






     *****




コーヒーを飲みおえると、帰り支度をしてリビングにいった。


「モモ来てくれたのにゆっくりできなくてすみません」

「いえ、あの、それは…


私が潤兄を連れてきてしまったから。

連れてきたわけじゃないけど。結果的にそうなってしまって、しかも今日は一緒に夕飯を食べなければいけない。


「彼とは一度、きちんと話がしたかったんです」

「でも潤にぃとは、ほんとにっ」

「わかってます。前も言いましたが乗り越えないといけない壁だと思ってますから」

「でもっ…」

「あぁモモは心配しなくていいですよ。けんか腰で行くつもりもないですから」


ジュンさんはそう思ってても、潤兄の方はかなり短気だし。

…それにあの日の潤兄は様子がおかしかった。

おかしいなんてもんじゃない。東京まで送るだなんてどうかしてる。


「大丈夫ですよ、モモ」


ほんとに大丈夫なんだろうか
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