彼と愛のレベル上げ

お昼前にジュンさんの家を出て近くのお店でブランチを食べた。

東京って近所にもこういうお店があって、やっぱり都会なんだなぁって思う。



「こういうお店が近所にあるからいいですねー」

「この辺は比較的、飲食店も多いので助かります」


ジュンさんはもともとこっちの人だから今更そんな事で驚きもしないんだろうけど……


「なんか羨ましいです」

「モモが気に入ってくれたならよかったです」

「はいっ、焼き立てブレッドのお店もここもすごく気に入りました」

「そうですか。ではこちらに来ても安心ですね」

「はいっ」


たまにしかこれない私のためにそこまで考えてくれてたのかと思うと嬉しい。


「この後ですが、銀座に行きますがモモは他に行きたい所はありませんか？」


あ、ジュンさんのお買いもの銀座だったんだ。

大人な街のイメージだから私が知っているお店もないし


「いえ、私は別にありません」

「では、そろそろ行きましょうか」


いつのまに清算を終えたのか、店員さんからカードと明細を受け取るとジュンさんはそれを財布にしまい席を立った。



電車を乗り継ぎ、銀座につくと慣れた感じで地下道を歩き地上にでるジュンさん。

ジュンさんにとって何でもない事なんだろうけど、もし私が一人でここまで来るとなったらそんなわけにいかないんだろうなぁなんて思いながら。



手を繋がれ、たどり着いたのはブルーの箱と白のリボンで有名なジュエリーショップ。

ジュンさんの服とか買うのかと思ってたけど、そうじゃなくてアクセサリーだったのかな？

普段そういうのつけてる感じはなかったけど、ネクタイピンとか？カフスボタンとか？それとも小物が実はここのでしたとか？

そんなことを考えながらジュンさんの横を歩く。

ジュンさんは慣れた様子で迷うことなくフロアを移動する。

そして着いたのはウエディングのフロア。


「着きましたよ、モモ」

「えと、あの？…ここですか？」


だって、ここ。

エンゲージリングとかマリッジリングとか。

販売員のおねーさんが手袋をして出してくれたりするとこですよ？


「モモが来てくれて助かりました。自分だけだとわからないので」


えーと……？