彼と愛のレベル上げ


「あら桃華ちゃん。そこまで言うんだから頑張れるわよね?」

「も、もちろんっ」


そんな私を見てジュンさんは苦笑い。


「あれですよ、モモ。逃げ出さない程度で」

「堂地さん。ダメですよ?そんな甘やかしちゃ。この三カ月は富貴子さんにビシビシ仕込んでもらいますからね?」


あ、お母さん。マジだ。

ほとんど飲んでないんだから、これは本気の言葉だとわかる。

お母さんが一番厳しいんじゃないのって感じだけど、親心ってやつなんだよね?


「ぇ…、……はい。がんばり…ます」

「それで来年には三人で家に来れたらいいのにねぇ?堂地さん?」


は?三人?ってどういう意味?


「おばさん。桃、全然意味わかってないって顔してるけど?」

「あら、孫よ、ま・ご♪」


へ?まご?
まごって孫?って子供ってこと??

結婚だってしてないのに子供とかムリだし。


「ま、無理でしょ、本人がお子ちゃまだから」

「そ、そんなことないもんっ」


おこちゃまって言われてやっぱり反応しちゃう私。

だからそれが子供だって言うのはわかってるのにダメだなぁ…


「しばらくは二人でと思ってるんですが、モモは違うんですか?…それは考え直さないといけないですねぇ」

「へ?あの?」

「あら、あなたたち結婚するのに子供の事も話してないの?」


や、だから。
プロポーズされたのはつい先日って何度も……


「桃、ダメダメだな。もっとちゃんと将来の事も話しないと」


へ?潤兄までそんなこと…
っていうか、何それ。


「相良さんの言うとおりですね。これからの事、もっとたくさん話し合わないとダメですね」

「そうよ、堂地さん。だから今日はこのまま連れて帰っていいからね?」


へ?どういうこと?
二日の夜に帰るって言ってあったのに。帰れってこと?


「そうそう、桃とじゃ酒も一緒に飲めないし、詰まんないから連れて帰ってくれていいですよ?」


はい?!
いつの間にお母さんと潤兄結託してるの?


「だいたい幸せオーラ振りまかれても迷惑だっての」

「そんなわけだからお父さんが話に入って来ないうちにそっと居なくなってね?」


とか言うから私は自分の部屋に戻り荷物を詰めてジュンさんの待つリビングに戻った。
< 221 / 240 >

この作品をシェア

pagetop