彼と愛のレベル上げ
「……で?主任の家に住むことになったと?」
「住むことになったって言うか、なりそうって言うか、」
「いやいや、なるでしょ」
あーやっぱり。
そうなる、のかな?
久しぶりに望亜奈さんとランチ中。
最近望亜奈さんは、彼の仕事終わりに合わせてシフトを遅番に入れてることが多くてなかなか一緒にランチもできない。
ほんとは仕事が終わってからゆっくり相談に乗ってもらいたかったのだけれど。
さすがに望亜奈さんのデートの邪魔するわけにはいかないから、ランチの時間なんとか全部話しきろうと思ってるんだけど。
「主任って、前から隙はないし用意周到に準備するタイプだとは思ってたけど。なんていうか、あれだわ」
あの、望亜奈さん?
あれってなんですか?
「そのうち桃ちゃんの事、閉じ込めて誰にも見せないで自分だけで愛でそうなタイプ」
「ちょっ、それって犯罪。しかも、愛でるってなんですかっ」
「言葉の通りだけど?だってさ、前にも言ったけど主任ってエロ――――」
「望亜奈さんっ!」
「はは、ごめんごめん。でもね、桃ちゃんの話し聞いてるとね、私の妄想も炸裂するわけよ」
う、なんかそれじゃ私が悪いみたいな感じじゃないですか……
「私が悪い感じ、ですか?」
「そうじゃないのよ、あの主任がさ、甘い言葉とかどんな風に囁くのかとか興味?ていうか純粋な好奇心?」
興味も好奇心も他人事だからそんな風に言えるわけで。
もう、あれを生で聞かされてる私は……
「桃ちゃん、顔赤いわよ?」
「ぇ…?」
望亜奈さんが変なこと言うからまた思い出しちゃった。
からかわれてるだけでランチが終わりそうで心配になって私は時間を見た。