彼と愛のレベル上げ
ずっと一緒に……
四月、本社へ初出勤の日。
朝ご飯を作ってコーヒーを淹れて……
夜シュミュレーションしていたにもかかわらず、早く寝つけずに最初のアラームを無意識で止めていたらしい。
アラームの音が聞こえて、慌てて飛び起きると時間に余裕などなかった。
時刻を見て蒼白になるも、なかなか動き出せずにいた。
「モモ、そろそろ起きてますか?」
「え?あ、はいっ」
「朝ご飯できてますよ」
「え?」
まだベッドから抜け出せずにいるすでに着替え終わっているジュンさんが寄ってきて額に軽く口付けた。
「おはよう、モモ」
そして優しく微笑んで、
「ほら早く食べていきますよ」
「あ、はいっ」
やっと脳が起きてきた。慌てて着替えてキッチンへ行くとトーストにコーヒーが準備されてた。
食事をすませてマンションを出るとジュンさんと一緒に会社に向かう。
満員電車で通勤なんて初めて。
背の小さな私はヒールを履いていても周りはスーツの壁。
そんな私をかばうようにジュンさんは立ってくれてなんとか二駅を乗り切った。
覚悟していたつもりでも毎朝このラッシュは…頑張れるかな?
いつものようにジュンさんの隣を歩いてしまっているけど、会社に向かうのだからこの距離は近すぎ?
少しだけ距離を作ればジュンさんにまた縮められた。
「モモ、手を繋いでないんですからそんなに離れたら迷子になりますよ?」
「え、でも、もうすぐ会社ですし……」
婚約をしているとはいえ、会社にはそんな事言ってないだろうし。
それに秋に本社に来たときに感じたけど、ジュンさんの事見てる人、噂してる人は目の前で見たし。きっとまた人気があるんだろう。
「今日はまだ言いませんが、結納したら上司には伝えますから」
「え?」
「あたりまえでしょう?もうすぐ同じ名字になるのに」
「…そう、ですね」
ジュンさんは同じフロアにある違う部署だから。
今日からお世話になる新しい部署の扉の前。
大きく深呼吸すると、元気よく挨拶をする。
「天ケ瀬桃華です。本日からお世話になりますっ」
これからの生活はまだまだ覚える事が沢山で。
それでも隣にジュンさんがいてくれるから頑張れる。
ずっと、一緒に……
END
朝ご飯を作ってコーヒーを淹れて……
夜シュミュレーションしていたにもかかわらず、早く寝つけずに最初のアラームを無意識で止めていたらしい。
アラームの音が聞こえて、慌てて飛び起きると時間に余裕などなかった。
時刻を見て蒼白になるも、なかなか動き出せずにいた。
「モモ、そろそろ起きてますか?」
「え?あ、はいっ」
「朝ご飯できてますよ」
「え?」
まだベッドから抜け出せずにいるすでに着替え終わっているジュンさんが寄ってきて額に軽く口付けた。
「おはよう、モモ」
そして優しく微笑んで、
「ほら早く食べていきますよ」
「あ、はいっ」
やっと脳が起きてきた。慌てて着替えてキッチンへ行くとトーストにコーヒーが準備されてた。
食事をすませてマンションを出るとジュンさんと一緒に会社に向かう。
満員電車で通勤なんて初めて。
背の小さな私はヒールを履いていても周りはスーツの壁。
そんな私をかばうようにジュンさんは立ってくれてなんとか二駅を乗り切った。
覚悟していたつもりでも毎朝このラッシュは…頑張れるかな?
いつものようにジュンさんの隣を歩いてしまっているけど、会社に向かうのだからこの距離は近すぎ?
少しだけ距離を作ればジュンさんにまた縮められた。
「モモ、手を繋いでないんですからそんなに離れたら迷子になりますよ?」
「え、でも、もうすぐ会社ですし……」
婚約をしているとはいえ、会社にはそんな事言ってないだろうし。
それに秋に本社に来たときに感じたけど、ジュンさんの事見てる人、噂してる人は目の前で見たし。きっとまた人気があるんだろう。
「今日はまだ言いませんが、結納したら上司には伝えますから」
「え?」
「あたりまえでしょう?もうすぐ同じ名字になるのに」
「…そう、ですね」
ジュンさんは同じフロアにある違う部署だから。
今日からお世話になる新しい部署の扉の前。
大きく深呼吸すると、元気よく挨拶をする。
「天ケ瀬桃華です。本日からお世話になりますっ」
これからの生活はまだまだ覚える事が沢山で。
それでも隣にジュンさんがいてくれるから頑張れる。
ずっと、一緒に……
END