彼と愛のレベル上げ
引越しの日は快晴なり?
8月末の休日に引越しの日が決定した。

ここのところ、必要度の低いものから少しずつ荷物を運び始めていた。

洗濯機とか冷蔵庫とかは主任の家にすでにあるので、引っ越しの日までは使って最終的に処分することに決めている。

でもテレビとかパソコンとかは自分の部屋に持っていくからさすがに一人では無理かなぁって思ってる。



お盆休み、私はいつものように実家に帰りお墓参りをすませて両親とのんびりお茶を飲んでいた。

なんだか最近色々な事がありすぎて、こうしてのんびりするのも久しぶりかも?


ピンポーン――――


お母さんが素早く立ち上がり玄関に行く。

しばらくしてから賑やかな声が聞こえてきて、蜜柑子伯母さんと潤兄がリビングに入ってきた。

私は挨拶だけするとすぐにキッチンに行ってお茶をいれる準備をする。

そこに潤兄がやって来て、ケーキの箱をひょいと持ち上げて見せた。


「うわぁー、それどうしたの?」


手にしていたのは東京のデパートでしか手に入らないはずのショップのもの。


「昨日買ってきたんだけど、さすがに遅かったから今日届けに来た」

「え?いいの?」

「本日中にって書いてあるけど、桃の腹なら大丈夫だろ?」


なんて、意地悪な事を言う潤兄。


「開けてみていい?」

「ま、大丈夫だと思うけどな」


夏だし、確かにクリームは溶けるしいたんじゃうかもしれないもんね。

開けてみれば美味しそうなタルトが並んでいた。


「紅茶がいいかな?」

「あ、俺はコーヒー淹れて」

「はいはい、仰せのままに」


こんな美味しそうなタルトを買ってきてくれたんだもん。なんだって淹れちゃう。

冗談ぽく返すと潤兄が「桃。」って、なんだか急に真剣な声で呼ぶから、潤兄の方に振り返る


「いつ、引っ越しすんの?」


え?潤兄も知ってる?

もしかしてお母さんが伯母さんに言ったのかな?

まさか引っ越し先も言っちゃってたりしてる?


「えと、今月の最後の週末。」

「男手いるのか?」


男手?って、どういう意味?

答えに困ってると潤兄は、


「その部屋の持ち主はこれんのかって聞いてんだよ」


部屋の持ち主?って、主任の事だよね?

うわぁー、お母さんたら伯母さんに何でも話しすぎっ
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