彼と愛のレベル上げ
夜になり週末の楽しみの主任からの電話。
平日は忙しくて時間が不規則だからとメールだけだから土日の電話はすごく楽しみ。
ふと潤兄に言われたことを思い出し主任にそれを聞いてみた。
「あの、ジュンさん?引越しの日なんですけど……」
『ん?』
「あの、いとこに手伝ってもらおうと思ってるんですけど」
『いとこ?……この前モモの家で会った人ですか?』
私の初恋の人だみたいな事言っちゃったから、どうかと思ったけど案外主任の反応は普通。
「あ、そうです!重いもの運んでもらおうと思って」
『……引っ越し業者頼んでないんですか?』
「え?だって、近所だし……」
引っ越し作業もだいぶ進んでる。
なにより、もったいない。
東京への交通費だって結構かかるし、お料理教室も行き始めて何かと出費も増えてきた。
先の事も考えるとやっぱり余分なお金は使いたくはない。
『こちらで手配しましょうか?』
「いえっ、あのっ、それはダメです」
『どうして?』
どうしてって……
いつだって主任はそうやって先回りで、私がしなきゃいけない事まで主任がすべてしてしまう。
そんな対等じゃない関係なんて私は望んでない。
もちろん対等になれるほど私は大人じゃないけれど、それでも少しでもそれに近付きたいと思ってる。
「これは私の引越しですからっ」
『モモ?』
「主任がそうやって色々してくれるのはありがたいですけど、…でも」
そんな風に先回りされるたびに私ってそんなにも頼りないんだって現実を思い知らされる。
そしてこんな事思ってる私を、いつか主任が嫌になっちゃうんじゃないかって思えば思うほどどんどん気ばかりが焦る。
「ともかくっ、お手伝いしてもらうことに決めたので」
『…わかりました』
そのあとは話が全然続かなくて、そんな重い空気のまま電話を切った。
同じ時間を共有できる大切な手段の電話なのに、声だけで気持ちを読み取るなんて事私にはできなくて。
距離の遠さとともに心の距離が遠い事にも気づかされた。
好きだからこそ近づきたいのに、その気持ちをうまく伝えられなくて
……今日も空回り
電話を切った後もなんとなく携帯を手放せなくてしばらくそのまま握りしめていた。
そんな事をしていても、主任から電話もメールも来ない。
いつだって主任は余裕で、私だけがいつも考えこんで悩んで……
そこまで考えたら涙が一粒こぼれた。
平日は忙しくて時間が不規則だからとメールだけだから土日の電話はすごく楽しみ。
ふと潤兄に言われたことを思い出し主任にそれを聞いてみた。
「あの、ジュンさん?引越しの日なんですけど……」
『ん?』
「あの、いとこに手伝ってもらおうと思ってるんですけど」
『いとこ?……この前モモの家で会った人ですか?』
私の初恋の人だみたいな事言っちゃったから、どうかと思ったけど案外主任の反応は普通。
「あ、そうです!重いもの運んでもらおうと思って」
『……引っ越し業者頼んでないんですか?』
「え?だって、近所だし……」
引っ越し作業もだいぶ進んでる。
なにより、もったいない。
東京への交通費だって結構かかるし、お料理教室も行き始めて何かと出費も増えてきた。
先の事も考えるとやっぱり余分なお金は使いたくはない。
『こちらで手配しましょうか?』
「いえっ、あのっ、それはダメです」
『どうして?』
どうしてって……
いつだって主任はそうやって先回りで、私がしなきゃいけない事まで主任がすべてしてしまう。
そんな対等じゃない関係なんて私は望んでない。
もちろん対等になれるほど私は大人じゃないけれど、それでも少しでもそれに近付きたいと思ってる。
「これは私の引越しですからっ」
『モモ?』
「主任がそうやって色々してくれるのはありがたいですけど、…でも」
そんな風に先回りされるたびに私ってそんなにも頼りないんだって現実を思い知らされる。
そしてこんな事思ってる私を、いつか主任が嫌になっちゃうんじゃないかって思えば思うほどどんどん気ばかりが焦る。
「ともかくっ、お手伝いしてもらうことに決めたので」
『…わかりました』
そのあとは話が全然続かなくて、そんな重い空気のまま電話を切った。
同じ時間を共有できる大切な手段の電話なのに、声だけで気持ちを読み取るなんて事私にはできなくて。
距離の遠さとともに心の距離が遠い事にも気づかされた。
好きだからこそ近づきたいのに、その気持ちをうまく伝えられなくて
……今日も空回り
電話を切った後もなんとなく携帯を手放せなくてしばらくそのまま握りしめていた。
そんな事をしていても、主任から電話もメールも来ない。
いつだって主任は余裕で、私だけがいつも考えこんで悩んで……
そこまで考えたら涙が一粒こぼれた。