彼と愛のレベル上げ
時間まで部屋の片づけをして、潤兄は私の本棚の本を見たりした。

狭いからリビングにいてって言っても、私の部屋から出ないでそのままそこで邪魔ばかり。


時間になって、二人で軽トラに乗って私の家に戻りリサイクル業者を待つ。


「あぁそうだ。モモ。これ、今日ここに置いてってイイ?」

「え?たぶん、大丈夫だと思うけど?」

「明日取りに来てそのまま返しに行くから、雨も降らなそうだからここに置いてくわ」

「わかった」

「そのかわり今日は引越し祝いで飲むからな?」

「へ?」


車を置いていく=飲む
それはなんとなくわかったけど。

理由は引越し祝いなんだけど、


「へ?じゃねーよ、飲むんだよ。肉体労働の後はやっぱビールだろ?」

「はは…そう、だね」


やっぱり理由なんて酒が飲めればなんでもいいんだ。
そうだよね、酒好きの潤兄のことだ、どうせそんな単純な理由。


「何他人事みたいに言ってんだよ、桃も飲むんだからな?」

「え?なん、で?」

「桃の。引越し祝いだろ?」


いや、そうだけど。
だけど、明日中に片づけ終わんないと暮らせないんだってば。


「今日は飲むからな」


あぁもう、言い出したら聞かない潤兄。
絶対飲まされるのは決定みたいだ。


それにしても、なんとなくだけど。
潤兄、様子がおかしいんだよね……


具合が悪いとか?
いや、でも飲むって言ってるしなぁ。

機嫌、も悪くないんだけど……


口の悪さは相変わらずだけど、それでもなんとなくしっくりこない。


なんか、あったのかな?


お酒が入ったらちょっと聞いてみようかな?
潤兄がなんかおかしいのはやっぱり心配だし。


こんなときじゃないと潤兄の本音とか聞けないし、たまにはいいよね。

いつも潤兄は心配してくれるから、今日は私が相談にのっちゃったりして。

……役に立てるといいんだけど。


私はただ純粋に潤兄の事が心配で、

ただそれだけだった。
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