彼と愛のレベル上げ
保護者的な感じで潤兄も心配してくれてるんだったら、やっぱりちゃんと言っておかないとだよね?


「潤にぃ、なんかごめんね?」

「なにが?」

「私が急に引越ししたりして…。心配してくれたんでしょう?」


それを聞いた潤兄はハッとしたような顔でこちらを向くと


「心配っていうか、あれだよ」

「?」

「ほら、前に桃、すげー飲んだ時あっただろ?あれもそいつのせいなんだろ?」


前に?すごい飲んだって言えば……


潤兄の家で寝ちゃった時とか
飲んで潤兄に文句言って追い返した事とか

どうも悪い事しか思い浮かばない。


でも潤兄の言うようにその理由は主任との事がどうしていいかわからなかった時の事。


「…潤にぃには、いつも迷惑ばかりかけて……」


私は思い出してしまった過去の失態に、後悔とともに謝罪の言葉しかない。

 
「迷惑なんて思ってねーよ」


そうだ、潤兄はいつもそう言うんだ。

だけど、それじゃ私はいつまでたっても……


「だって――――」
「迷惑なんて一度も思った事ねーよ」


ほら、こうやっていつもそんな風に言うんだ。
そしてそのあとに必ず


「俺が好きでやってんだから、桃は気にすんな」


何の得にもならないのに、潤兄はいつもこう言うんだ。


「そんなこと言ってー。私なんかがこうやって迷惑ばっかりかけるから潤兄は…」
「桃。」


やけに真剣な顔の潤兄。

な、に?



「俺が……心配するのが、迷惑、なのか?」


そんな小さな声で……


「どう、して?」


むしろ私が迷惑掛けてごめんね?って話をしようとしていたのに。

なんでこんな辛そうな……


「迷惑ならこうやって会うのも、迎えに行くのもやめるよ……」

「なん、で?」


何で急に迷惑とか迎えに来ないとか言い出すの?

やっぱり潤兄に、なんかあったんだ。
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