彼と愛のレベル上げ
初めてのお料理会でそれが出来上がったのは3時すぎ。

お婆様の時間配分が良かったのか、お母さんのフォローがあったからなのか。

ともかくお茶の時間には出来上がって目の前のお皿においしそうに切り分けられている。

今日はお婆様の作ったブルーベリーソースがかかってるけど、他にも色々果物を飾ったりしてもイイらしい。


「まぁおいしそう」

「お紅茶でいいかしら?」

「富貴子さん、私いれます」

「じゃあ桃華ちゃんにお願いしようかしら?」


そう言ってケーキをリビングに運んで行った富貴子さんとお母さん。



初回をお菓子作りにしてもらって本当に良かった。

包丁使いはかなり危ない感じだけど、はかり使ったりとかハンドミキサーなんてのはお手の物。

チョコ作りで楽しくなってからお菓子はけっこう作ってたから。



茶葉が開く時間を十分にからリ計ってリビングに運ぶと、ケーキを前にして富貴子さんとお母さんが楽しそうに話をしていた。


テーブルでお茶を注ぎ淹れ、そっと目の前に置く。


「どうぞ」

「それじゃあいただきましょうか」



「うわぁーこのソースっすっごくおいしぃ~」

「桃華ちゃん。お行儀が悪いわよ?」

「あ、」


だって、手作りだというブルーベリーソース。
甘さと酸っぱさのバランスがすごく良くて、ほんとにおいしいんだもの。
つい口から出ちゃうって。


「そう言っていただけると嬉しいわ。時期になったら一緒に作りましょうね?」

「ぜひっ」


なんだろう。これ。
自分で作ってもこんなにおいしいお菓子が作れるんだ。

なんていうかすごい
もしかして主任もお婆様の手作りのお菓子と食べてたのかな?


「嬉しいわぁ。純哉は甘いもの全く食べないから、そう言ってもらえると作りがいもあるしね」


お婆様のその言葉にケーキを食べる手も止まってしまっていた。


「最近ではスイーツ男子なんて言うのもいるみたいだけど、堂地さんはそのイメージはないしねぇ?」


なんかお母さんが言ってるみたいだけど、そんな言葉は全く頭に入って来ない。

だって、チョコレート全部食べたって……
もしかして、無理させちゃってた?


「…え。しゅに、じゃなくてジュンさんて甘いもの食べないんですか?」

「えぇ、見たことないわねー」

「あ、あのチョコレートとかは?」

「もちろん食べないと思うわよ?……どうして?」


やっぱり無理させちゃってたんだ……
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