彼と愛のレベル上げ
「ぁ、」
いつの間にか妄想の世界に行ってた私を見ているお婆様とお母さん。
見てるって言うかニヤニヤしてるような……
♪~~~
そこにお婆様の携帯の着信音。
クラッシックの着メロってすごいんですけど。
「あら、純哉。どうしたの?」
主任から?
今日お婆様の家に来る事は言ってないんだけど……
「え?ダメよ、今忙しいし」
なんか揉めてる?
「わかったわよ、ちょっと待って。はいはい」
そう言ってお婆様は私に電話を渡してきた。
「あの、もしもし?」
『モモ、なんで富貴子さん家?』
「え?なんでって……」
いつもは夜にしか電話で話をしない主任が何でお婆様の携帯に?
『夜も電話するけど、ていうか金曜日帰るから』
「あ、え?あの?」
『夜に電話するから。富貴子さんに代わって』
「あ、はい…」
私の答えを聞かないまま主任は電話をお婆さまに戻すように言った。
結局主任は何が言いたかったのかわからないままお婆様に電話を戻す。
「はいはい。あとで桃華ちゃんにゆっくり理由は聞いてね?はい。それじゃ」
え?私?が理由を言うの?
ていうか、私巻き込まれた感じなんですけど?
「ごめんなさいね。桃華ちゃんの様子があんまり可愛らしかったから純哉に写メ送っちゃったの」
「え?!いつのまに?!」
ていうかエプロン姿で妄想中の私の画像送るとか……
いやいや、それよりもなんで撮られたことに気づかなかったのか……
「それでね?次回はお昼ご飯を一緒に作って食べるって言うのはどうかしら?」
「秋ですものねー。色々おいしいものもたくさんあるから」
「あ、でも私、包丁があまり……」
「大丈夫よ、お手伝いはちゃーんと二人でするからね?凛子さん?」
「ええ。桃華ちゃん花嫁修業だと思って頑張りましょう?」
花嫁、修業?
え?何それ。
いや、そういうのじゃないんですけどね?ていうか両手で数えるぐらいしか……
そう思っているのに目の前でどんどん話は進んでる。
私はとめるすべを知らなくて頷くしかなかった。
うん、なんか色んな意味で
……巻き込まれてる、な。