彼と愛のレベル上げ
触れあったら触れあった分だけ寂しい思いが深くなる。

こうやって触れあえる距離にいる今でも三日後にはまた一人なんて思いが頭をよぎる。

想いが通じてない時は毎日会えてたのに、通じ合ってからは月に一度しか会えないなんて。

想いが叶ってこうして恋人同士になったというのに、その喜びも止まないままに寂しい思いも同時に味わってる。

それでも主任じゃないとダメで
主任だからこそ、この関係で頑張ろうと思ってるのに。


やっぱり触れあえない事は寂しい。
いつも隣にいて欲しい。


「モモ?早く追いついてきて?」

「え?」

「モモのこと待ってるけど、待ちきれなくてさらっていかないうちに。ここまで」


追いついてきて?
待っているうちに?
どういう、こと?


「あの?」

「モモ、とりあえずコーヒー淹れてもらってもいいですか?」

「あ、はい、でも?」

「今回はゆっくりモモと話がしたくて帰ってきたのに、モモのおかげで危うく先に手を出しそうでした」

「え、」

「だからとりあえずコーヒー飲んで落ち着いて話しましょうか」

「あ、はい」


主任に言われてキッチンに行きコーヒーを淹れ始めた。

コーヒーを落としている間に自分用のカフェオレを作るためにミルクを温め準備をした。


考えてみれば主任と会うときはいつも嵐のように数日が過ぎていた。
ずっと一緒にはいるけど、なんていうか……

頭の中にその時の光景が浮かんできて慌てて打ち消す。

だって主任ってば触り魔っていうかキス魔っていうか……

話をするというよりもただその存在を確かめる事ばかりだった気がする。


でもさっき主任の言った「追いついてきて?」の意味は?


先月に主任と一緒に買ったマグにたっぷりとコーヒーを注ぎ、自分のマグにもカフェオレを入れた。

そしてトレイにのせると主任の待つリビングに向かった。
< 54 / 240 >

この作品をシェア

pagetop