彼と愛のレベル上げ
あれ?、待って。

お婆様とも仲良くなって欲しいとか、そのお婆様とお母さんがやけに仲が良くなったのもなんかおかしい。


「もしかして、母になにか言いました、ね?」

「おや?さすがにモモも賢くなりましたね?気づきましたか?」


ちょ、なにそれっ。


「気づきますっ!だって花嫁修業とか料理とかなんだかちょっと不自然に事が進みましたもん」

「あはは、そうですか。」


そうですかじゃなくて。

待ってるとか言ってやっぱり用意周到にじわじわと裏側で色々と先にトラップを一杯……

望亜奈さんは、きっとそうなるように主任が仕向けたんだろうって言ってたけど、それよりもさらにひどかった。

これが主任の言う計画ならば……私は、


「あの、でも。すぐに追いつきますからっ」


そう言った瞬間主任の顔がほっとしたような優しい顔になった。


受けてたちます!

好きのその先の気持ちっていうの、
見つけてみせますっ


「モモの気持ちは待ちますけど、こっちはもう待てないみたいです」


そう言われた瞬間に主任の顔が近付いてきて、思いっきり目を閉じた。

だってそれはきっと、これからの甘い時間の始まりの合図。


主任は気持ちを伝えるように優しく唇をついばみ、

…角度を変えて味わい、

それが深くなるかと思った所で、ふっと離れた。



――――――え?



「先に風呂、入ります。楽しみにはあとでじっくり」



そう言い残してスーツの上着を持ち自分の部屋に入っていった。


ちょっと肩すかし?みたいな感じになってこの先を望んでいた自分が恥ずかしい。

だって私、期待していた。

いつの間にこんなにも主任に触れられる事を期待するようになっちゃったんだろう?


主任が触り魔だから?
主任がキス魔だから?


どっちも正解だけどそれだけじゃない。


“私が”主任にそうされたいんだ。


「あ、それと、モモ。」


着替えを持って出てきた主任が、急に声をかけるからビックリして振り返る。


「話しはまた明日でもいいですよね?」

「え?あ、はい」


主任だって疲れてるんだもん、明日またあらためて色々話してもいい。


「そうですか。それでは遠慮なく充電させてもらってもいいですね?」


それだけ言うと浴室に消えていった。
まるで鼻歌でも歌いそうな勢いで。


充電…
さっきのじゃ、たりなかった?
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