彼と愛のレベル上げ
浴室にいった主任を見届けて時計を見るとまだ10時前。

なのに主任は充電とか言い出すし、そもそも充電は何を意味するのか。


私はただ、主任と一緒の空間にいられればそれだけでも幸せなんだけどな。

とはいえ、一緒にいればやっぱり触れたくなるわけで
隣に寄り添っていれば今度はやっぱり気持ちが伝えたくなるわけで

てなると、キスとか……


あー考えてみたらどんどん欲張りになってる。


主任の言う気持ちってこういう事?


よくわからないままさっき淹れたカフェオレを飲む。



―――――ガチャ


そこにお風呂から出た主任が戻ってきた。


「ちょ、ジュンさんっ。上っ、なんか着てくださいっ」

「あ?暑いしどうせまた脱ぐし、別にこのままでも――――」
「着てくださいっ」


だって、お風呂あがりだからって上半身裸で。
下はハーフパンツを履いているとはいえ、引き締まった体が上気してうっすらピンク色で。

しかも、なんか聞き捨てならないことも言ったような気がしたし


「何?モモ欲情した?」

「よっ、欲情なんて、しませんっ」


そんなことまで言うから、ドキドキして主任の事直視できない。

欲情なんてしてない、なんて言ったけど。
だってなんていうかすごく…触れたいって思っちゃったとか。


私、どうしちゃったの?


下を向いて赤くなってしまった顔を手で覆いほてりを収めていると


「モモ、」

「ジュンさんは、意地悪ですよね、」

「何度も言ってますよね?モモが可愛いからつい意地悪したくなると」

「そんなのっ、そんなこと言ったってダメですっ」

「どうしたら許してくれる?」


ふわっと漂ってきた香りにいつの間にか包まれて、なぜか安心して早くなっていた鼓動が少しづつおさまっていく。

自分と同じボディソープなのに、主任から放たれているのはそれとは少し違う香り?


「……ぎゅってしてくれたら」


その香りに包まれたまま主任に後ろから抱きしめられた。
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