彼と愛のレベル上げ
あーわかった。
主任の匂いが好きなんだ。

匂いが好きだなんていったら匂いフェチみたいでちょっと変態ちっくだけれども。

でも主任のダウンからしてきた香りにつつまれて寝ちゃったり。
主任の看病してたはずなのに枕元で寝ちゃったり。

好きな人の香りだからっていうのもあるのかもしれないけど、主任の匂いだから安心?安らぎ?癒し?みたいなのがあるのかもしれない。


「モモはぎゅってしてあげれば許してくれるんですね?」

「え?いや、そうじゃないですけど……」

「けど?」

「…ジュンさんにこうされるの、すごく安心するっていうか」

「安心されても困るんですけどね?もう少しドキドキしたりしないんですか?こんな格好なのに?」


そう言われて、たしかに。
主任は上半身裸で、しかも私も羽織っただけのパーカーはいつの間にか二の腕ぐらいまでずり落ちてる。

だから主任を直接肌で感じてるっていうか

そう認識した瞬間、じわじわと熱が上がってきた。
収まりかけてた熱が顔だけでなく首や胸元まで広がっていくのがわかる。


「だんだんおいしそうな色になってきましたね?」

「ちょ、ジュンさんっ、食べ物じゃないですっ」

「そうでしたか?だってモモって名前ですしねぇ?」


モモだけど、でも……

あぁもう、主任には口で勝てるわけないっ


「ま、まだ食べごろじゃ、ないはずですっ」

「それは残念ですね。では、じっくり待つ事にしますか」


ちょっと。主任、待つとか。
なんのっ


「待ちますよ、モモの気持ちがちゃんと育つまで」


そしてもう一度ぎゅって抱きしめてからその体を解放してくれた。
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