彼と愛のレベル上げ
翌日。やっぱり早く起きられなかった私。
今日こそ朝ご飯を作ってって思ってたのに、目が覚めたのは10時過ぎ。

主任が充電って言いだしたあたりから怪しい気がしたけど、また今回も眠りに落ちる前に聞こえたのは鳥の声だった。


……しかも、途中でお風呂にまでっ


あああああ、
今思い出しても恥ずかしいっ


また、いつのまにかお風呂に入れられてて、気づいた時にはお湯の中だったっていう事は……


考えたくもない



―――カチャ



「モモ、起きた?」


超さわやかな笑顔でドアを開けて聞いてきた主任。

な、なんでそんなに元気なんですか?


「おはよう、ございます」

「富貴子さんが一緒にお昼食べようって言ってるけど」

「え?あのそれってお手伝いとかは?」

「あぁ気にしないでって言ってた」


すぐに起きて手伝いに行けって言われても、たぶん無理そうっていうか。
いや、完璧無理。

ちょっと動けば筋肉痛が襲ってきて、こんなところに筋肉あったのって所まで痛いっていうのはどういう事なんだろう。


「…えと、朝ご飯は?」

「あぁ、ちょっと早めのお昼にしてって言っておいたから大丈夫」


それって、いかにも私がまだ寝てますって言ってるようなもので。
そんなのって悪い印象しか与えないんじゃないかなんて心配になる。


「え、でも」

「あぁ大丈夫。俺が無理させたって言ってあるし」


ニコニコ顔で答える主任。


ちょ、それっ
そんなことっ
お婆様に言ってどうす…


「モモの体力を考えて、ほどほどにしろって怒られたけど」


ちょ、お婆様も。
私の体力がどうとかっ
しかも、ほどほどにっていう怒り方もどうかと思うんですが。


「でもちゃんと言っておいたから。ほどほどじゃ伝わらないって」


ああぁぁ、悪魔だ。
やっぱ主任は悪魔だっ


「あの、ちゃんと伝わりますから、…そのほどほどで、大丈夫デス」


主任がニヤリと笑ったように見えたのは見なかった事にしておこう。
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