彼と愛のレベル上げ
昨日はあんなに張り切って電話するぞって思ってたのに、結局電話できないままおやすみメールに返事をした私。

なんて言うかほんとに私って……


「あ、天ケ瀬ちゃん。これよろしく」


鈴木さんが今日の処理分の書類を渡してきた。
軽く目を通して特に問題がなさそうなのでそのまま受け取ろうとすると


「あ、昨日俺メールしておいたから」

「え?もう、したの?」

「あぁちょっと聞きたい事もあったから、ついで?」


そうなんだ。
でも聞きたい事って、仕事の事だよね?


「天ケ瀬ちゃんと一緒に行くって書いたけどそっちもメールしておいてよ」

「あ、うん」


仕事の時はきちんと話をするけど、同期の彼とはふとした会話をするときに普通に話してしまう。
ほんとはいけないってわかってるんだけど……


「あぁそれと―――


いつもなら水曜日の会議だけど十月は木曜日でしかも次の日に勉強会があるらしい。
部長は会議の事しか言ってなかったのに、勉強会もあったなんて。

ていうかそれを先に言ってよって感じ。


「で、ホテルと電車の予約するなら一緒にするけど?」

「え?」

「あぁどうせ一緒のとこだし」


ま、まぁそうだけど。
ていうか金曜日まで東京?
てことは………


「えと、ちょっとだけ待ってもらってもいいかな?」


一瞬鈴木さんに訝しげに見られたけど、でもどうしても主任に確認してから。


「まだ日にちあるからいいけど、なるべく早くな」

「…わかった」

「じゃ、俺。外行くから」

「はい、いってらっしゃい」


ハァー


なんだか急に色々考えなきゃいけなくなった。
やっぱり、今日こそ電話頑張ってしてみよう。
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