もう少し早く先生に出会いたかった…
見せている間、私は教卓の横で教壇に座り友達と手相について話していた。
「このまえね、見てもらったんだけど、この線がね恋愛なんだってー！んでこうこうこうで…」って話していたら先生が「俺のは？」と手を差し出してきた。そして私は先生の手に触れないように「これがこうでー…」と教えていた。

でも先生はずるい。
「だからどれ？」と言って来る。しぶしぶ手に触りながら教えた。
そして「んでお前のはどーなの？」と手首をぐっと引っ張られた。
正直まともに話したのは久しぶりだ。

そして結局レポートはやり直し。
赤ペンを入れられたので最初から書き直しだった。
少し腹が立ってじゃあ議題変えよーかなーとボソッと言うと聞こえていたらしい。
「なんでよ！おまえのそーゆーとこ…」と言われた。正直イラッときた。

授業が終わり先生が教室を出て行くと同時に私は友達に愚痴を言った。
「なんで私だけがやり直しなの！ありえない！マジあの先生なんなの！」
そう言うと友達は「でも先生久しぶりに瑞歩と話して楽しそうだったよ？」
「そう、瑞歩も顔赤くなってたから先生分かってたと思うよ」と言ってきた。
< 22 / 37 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop