エリート社長の許嫁　～甘くとろける愛の日々～
先に到着していた奈央は、笑うとえくぼができるのがかわいらしい、チャーミングな女の子。
彼女は軽く手を上げて私を呼ぶ。


「遅くなってごめん」
「なに謝ってるのよ。時間通りじゃない」


たしかにそうだけど、仕事のときは最低でもアポイントの十分前に到着しているのが常なので、つい。


「先頼んじゃった。砂羽も注文してきなよ」
「うん。そうする」


このカフェは先に支払いを済ませるスタイルだ。
私は奈央がアイスコーヒーと名物のアボカドサンドを前にしているのを見て、注文に向かった。

彼女と会うのは久しぶり。
けれど、気心の知れている友人に会えるとホッとする。

アイスオレとアボカドサンドを注文して戻り、早速おしゃべりの開始だ。


「ね、奈央。それ、思いきったね」


奈央は最近、腰まで届きそうだった長い髪を、バッサリとショートに切ってしまった。
切ったことは聞いていたけど、見たのは初めて。

しかし、さっぱりとした性格の持ち主の彼女には、それがかなり似合っている。
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