エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「着物、着てくれる? また砂羽の着物姿が見たいな」


そう言われると面映ゆい。
だけど私はうなずいた。


その日も彼は車で家まで送ってくれた。


「おやすみ。来週末楽しみにしてる」
「はい」


お茶会の約束を本当にしたのだ。

車を降りてきてくれた彼は、名残惜しそうに私を見つめ、抱きしめてくる。


「はー、充電完了。来週もバリバリ働ける」
「そんな……」


でも、私もそうかも。
彼と一日幸せなひとときを過ごしたおかげで、昨日までの疲れが吹き飛び、心が軽くなっている。


「来週は出張があるから会社にもあまりいないんだけど……電話はしてもいい?」
「もちろんです」


彼は帰りが深夜にならない限り、電話をくれる。
彼の声を聞けた夜は、ぐっすり眠れる。


「それじゃ」


翔さんは私が玄関の中に入るまで見届けてから帰っていった。
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