エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「茶会も緊張したけど、心が洗われたよ。日本のよき伝統に触れるっていうのは、気持ちがいいものなんだな」


お茶会になんて誘ってしまったけど、楽しんでもらえてよかった。


「それに、また砂羽の着物姿を見られたし」


彼は私の手を、指を絡めて握りなおす。


「ありがとうございます。でも翔さんも、他の人からチラチラ見られてましたよ」


そう漏らすと彼はふと足を止め、私に視線を合わせる。


「それって、もしかして嫉妬?」
「えっ、違いま——」
「うれしいな。砂羽がヤキモチをやいてくれるなんて」


彼はにっこり微笑む。
そう、かもしれない。多分これは、嫉妬だ。


「俺の気持ちがわかった?」
「翔さんの気持ち?」
「砂羽とデートしていると、早く家に帰りたくなる。他の誰にも砂羽のかわいい顔を見せたくないから。砂羽は俺だけのものだ」
「えっ……」


独占欲をあからさまにされ、頬が上気してくる。
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