エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「捨てずに?」
読んでくれただけでも意外だったのに。
「今でも会社のデスクにあるよ。あんなに丁寧に手書きされ、熱すぎる想いをぶつけられているのに、捨てられないだろ?」
「いえっ、捨ててください」
今となっては恥ずかしくなってきた。
「お断りだ」
彼はニッと笑ってから、神妙な面持ちに戻った。
「稲田に告白されたときは、正直驚いたよ。同時に、自分の鈍感さに呆れた。仕事に熱中するあまり、彼女の気持ちに気づかず……。俺は一緒に戦う人間としてしか見られなくて……」
「稲田さん、おきれいな方ですし、翔さんのお仕事も理解できて……。それなのに、気持ちが動かなかったんですか?」
私が尋ねてしまったのは、おそらく不安だったからだ。
彼女に比べたら女性としても成熟しているとは言い難く、足を引っ張ってしまうような私が彼の隣にいていいのかと。
読んでくれただけでも意外だったのに。
「今でも会社のデスクにあるよ。あんなに丁寧に手書きされ、熱すぎる想いをぶつけられているのに、捨てられないだろ?」
「いえっ、捨ててください」
今となっては恥ずかしくなってきた。
「お断りだ」
彼はニッと笑ってから、神妙な面持ちに戻った。
「稲田に告白されたときは、正直驚いたよ。同時に、自分の鈍感さに呆れた。仕事に熱中するあまり、彼女の気持ちに気づかず……。俺は一緒に戦う人間としてしか見られなくて……」
「稲田さん、おきれいな方ですし、翔さんのお仕事も理解できて……。それなのに、気持ちが動かなかったんですか?」
私が尋ねてしまったのは、おそらく不安だったからだ。
彼女に比べたら女性としても成熟しているとは言い難く、足を引っ張ってしまうような私が彼の隣にいていいのかと。