エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
情熱的なプロポーズ
「砂羽ちゃん、仕立ててもらってたのができてきてるよ」
遠くの山が徐々に赤茶色に色づき始めてきた十月下旬。
出勤すると、橋さんが満面の笑みを浮かべて着物を持ってきてくれた。
あのお茶会に行って翔さんも着物を着てみたいと思いだしたらしく、橋さんに頼んであったのだ。
「うわー、素敵。ありがとうございます!」
少し灰色がかった緑——老竹色の着物は渋くて、翔さんがこれを着ているところを想像するだけでテンションが上がる。
「いやいや。一ノ瀬さんからのご依頼とあらば、頑張らないわけにいかないだろー。着流しでいいのかい?」
橋さんも、私と翔さんとの交際には諸手を挙げて賛成してくれている。
茶会は本来男性は袴だが、お茶の先生に聞いたところ、正式な茶会である“茶事”ではなく大寄せの茶会なら袴をはかない着流しで十分だと言われたのでそうした。
遠くの山が徐々に赤茶色に色づき始めてきた十月下旬。
出勤すると、橋さんが満面の笑みを浮かべて着物を持ってきてくれた。
あのお茶会に行って翔さんも着物を着てみたいと思いだしたらしく、橋さんに頼んであったのだ。
「うわー、素敵。ありがとうございます!」
少し灰色がかった緑——老竹色の着物は渋くて、翔さんがこれを着ているところを想像するだけでテンションが上がる。
「いやいや。一ノ瀬さんからのご依頼とあらば、頑張らないわけにいかないだろー。着流しでいいのかい?」
橋さんも、私と翔さんとの交際には諸手を挙げて賛成してくれている。
茶会は本来男性は袴だが、お茶の先生に聞いたところ、正式な茶会である“茶事”ではなく大寄せの茶会なら袴をはかない着流しで十分だと言われたのでそうした。