エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
その週末、翔さんとの着物デートが実現した。

茶会が終わったあと、前回と同じよう日本庭園をふたりで散策することにした。

翔さんはとても初めてとは思えないほど、着物姿がしっくりときている。
ぴったり合わせられた首元から覗く首のラインはどこか色っぽく、帯はきちんと前下がりうしろ上がりに結ばれており、貫禄がにじみ出ている。

かっこよくて、存在感抜群で……すれ違う人が皆振り向くので、嫉妬してしまうくらいだ。

仕事のときのスリーピースの着こなし具合も最高だけど、和服もたまには着てもらいたい。

彼のような人が和装で街に出てくれたら、着物も見直されないかしらなんて思ってしまうほど似合っている。


今日の私は、淡い黄褐色——鳥の子(とりのこ)色の訪問着に、翔さんの着物を意識した老竹色を基調とした菊菱模様の名古屋帯姿だ。
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