エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
社長である母から、傘下に入りたいという正式な意思表示はしてある。
ブランピュールの会議を経て、おそらく承認される。

峰岸織物はブランピュールの足元にも及ばないけれど、和服分野でも踏ん張って、傘下に入れてよかったと言ってもらえるようにしたい。


それから東屋のベンチに私を誘った翔さんは、ぴったりと横に座り、目の前に広がる池に視線を移す。

周りの風景に彼の和服姿が溶け込んでいて、ゾクッとするほど美しい。


「ここで呼吸をしているだけで、心が浄化される気がするな」
「そうですね」


相変わらず忙しい彼だけど、デザインへの情熱は私と暮らし始めてから一層高まっているらしく、時間を惜しんでデザイン画を描いている。

その間は楽しくてたまらないらしいが、商品化を目指すとなるといろんな制約をクリアしなければならず、それがとてつもなく疲れるんだとか。
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