エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「ロールキャベツが食べたい」


それを聞いて、ハッとした。
彼に振舞った初めての料理がロールキャベツだったからだ。

翔さんがもう一度始めようと言っている気がするのは、考えすぎだろうか。


「わかりました。たくさん作っておきます」
「うん」


彼はうれしそうな顔で大きくうなずいてから、車に乗り込んだ。


やっぱり無理だ。
彼から離れるなんてできない。

『砂羽を愛してる。一生、砂羽だけを』と強く言ってくれた彼を信じたい。



仕事が終わると、すぐに翔さんのマンションに向かった。

途中で奈央に【今日はマンションに帰るね】とメッセージを入れると、すぐに返事があった。


【試練を乗り越えたあとは、燃えちゃうかもね】

「な、なに言ってるのよ……」


頬を赤らめていると、もう一通メッセージが届いた。


【今日はいっぱい甘えるんだよ。遠慮しちゃダメだからね】
【うん、ありがと】


彼女のおかげで緊張がほどけた。
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