エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
けれども、アルカンシエルで助けてもらったときも、翔さんは手紙のことを口にしていたっけ。
それから興味を持ってくれて、峰岸織物のことを調べたって。
「そうです。すごく情熱的なお手紙だったと」
「えっ! でもあれは、仕事の話ばかりで……」
「ふふ。それも聞きました。でも、その手紙の端々から峰岸さんの純真さが伝わってくるって。すごく不器用な女性なんだけど、内に秘めた想いが熱くて、どうしても気になって次の手紙を待ってしまうなんておっしゃっていたらしいですよ。あっ、ごめんなさい。ご本人に不器用だなんて……」
「いえ。その通りなんです」
私が返すと、八坂さんはにっこり笑う。
「でももちろん、悪い意味の『不器用』じゃないんですよ。多分……まっすぐすぎて損をしてしまうというような意味なんだと思います。うちも主人が、『正面からぶつかってくる人は好印象だけど、裏で手を回されるのは気分が悪い』なんて時々漏らすんですけど、そういうことかと。ビジネスの世界にはいろいろあるみたいですから」
それから興味を持ってくれて、峰岸織物のことを調べたって。
「そうです。すごく情熱的なお手紙だったと」
「えっ! でもあれは、仕事の話ばかりで……」
「ふふ。それも聞きました。でも、その手紙の端々から峰岸さんの純真さが伝わってくるって。すごく不器用な女性なんだけど、内に秘めた想いが熱くて、どうしても気になって次の手紙を待ってしまうなんておっしゃっていたらしいですよ。あっ、ごめんなさい。ご本人に不器用だなんて……」
「いえ。その通りなんです」
私が返すと、八坂さんはにっこり笑う。
「でももちろん、悪い意味の『不器用』じゃないんですよ。多分……まっすぐすぎて損をしてしまうというような意味なんだと思います。うちも主人が、『正面からぶつかってくる人は好印象だけど、裏で手を回されるのは気分が悪い』なんて時々漏らすんですけど、そういうことかと。ビジネスの世界にはいろいろあるみたいですから」