エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
ただ、融資の話を耳にして興味本位で聞いてきただけなのかも。
ちょっと考えれば、翔さんが私をだましたわけではないことがわかるのに、重人さんが東横銀行に勤めていると知ったあのときは、衝撃のあまりに落ち着いて考えられなかった。
多分……『他人のものを奪うのが得意』と重人さんがつぶやいた言葉が強烈に心に刻まれてしまっていたからだと思う。
「ごめんなさい、私……」
「砂羽が謝ることなんてひとつもない。俺が全部悪い」
彼の言葉に首を振る。
「いえ。私は翔さんだけを見ていればよかったんです。それなのに、他の人の言葉に惑わされてしまいました」
「そんなのは当たり前だ」
彼はそう言うと、ビシッと背筋を伸ばして私に熱い視線を注ぐ。
「砂羽。もう一度、俺と始めてくれないか。砂羽を苦しめた償いはいくらでもする。でも、どうしても離したくない」
もう一度始めるなんて……。
私たちは終わってないでしょ?
ちょっと考えれば、翔さんが私をだましたわけではないことがわかるのに、重人さんが東横銀行に勤めていると知ったあのときは、衝撃のあまりに落ち着いて考えられなかった。
多分……『他人のものを奪うのが得意』と重人さんがつぶやいた言葉が強烈に心に刻まれてしまっていたからだと思う。
「ごめんなさい、私……」
「砂羽が謝ることなんてひとつもない。俺が全部悪い」
彼の言葉に首を振る。
「いえ。私は翔さんだけを見ていればよかったんです。それなのに、他の人の言葉に惑わされてしまいました」
「そんなのは当たり前だ」
彼はそう言うと、ビシッと背筋を伸ばして私に熱い視線を注ぐ。
「砂羽。もう一度、俺と始めてくれないか。砂羽を苦しめた償いはいくらでもする。でも、どうしても離したくない」
もう一度始めるなんて……。
私たちは終わってないでしょ?