エリート社長の許嫁　～甘くとろける愛の日々～
ペンネを入れたトマトのスープも、実においしそうに平らげてくれた。


「はー、食いすぎた」


満足げな翔さんの表情が柔らかくてホッとする。


「あはは。お風呂の準備をしてきますね」


私は食器をシンクに置いたまま、とりあえず湯を入れにバスルームに向かった。
湯加減をみて戻ると、翔さんは電話をしている。


「心配かけて悪かった。あぁ、打ち合わせは改めてよろしく」


私が入っていくと、すぐに電話は終わった。


「八坂の奥さんに会ったんだって？」


あっ、今の電話はお隣さんだったんだ。


「はい。さっきエレベーターで一緒になって。とっても素敵な方でした」
「うん。でも……なんか聞いた？」


翔さんはなんだかちょっと不安顔。
あ、昨日のことを言っているのかな？


「いえ。翔さんが心配してたから、戻ってきてよかったと言われただけで」


いろいろ聞いたことは黙っておいた。
もしかしたら諸々隠しておきたいのかな、なんて思ったからだ。
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