エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
翌朝目覚めると、私に腕枕をして隣で寝そべっていた翔さんはすでに起きていて、うっとりとしたような目で私を見つめる。


「おはよ、砂羽」
「そ、そんなに見ないで……」


視線が熱くて思わず顔を手で覆う。


「どうして? 砂羽の顔ならずっと見ていられる」


彼はクスクス笑う。だけど……。


「えっ、これ……」


顔を覆った左手にとあるものがあって、まじまじと見つめてしまった。


「気に入らない?」
「そんなわけ……」


左手薬指に、キラキラ光るダイヤの指輪が収まっていたのだ。


「いつの間に?」
「もうずっと前から用意してあったよ? プロポーズしてしまったし、いつ渡そうかと温めてあった」


『温めて』って……なんだかおかしい。


「きれいな夜景でも見ながらレストランで食事して……なんて考えてたんだけど、我慢できなくなった。今すぐに俺の証を砂羽につけたくなった」


彼は照れくさそうに言う。
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