エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「体の証は、すぐ消えるから」
「えっ? あ……」
昨晩、いたるところにキスマークをつけられたことを思いだし、耳まで真っ赤に染まる。
「大丈夫。服に隠れるところにしかつけてないから」
「も、もう!」
恥ずかしくてたまらないけど、幸せすぎる。
「なぁ、もっとつけていい?」
「なに、を?」
「決まってるだろ。俺の印」
彼はあっという間に覆いかぶさってきて、唇を塞ぐ。
「ちょっ……仕事行かなきゃ」
「大丈夫。まだ六時前」
首筋に舌をツーッと這わせた彼は、不敵に微笑み、私を捕まえて離そうとしない。
朝からクラクラするような色気を放つ彼にタジタジになってしまうけど、幸せなひとときだった。
「ずっとこうしていられたらいいのに」
「む、無理です……」
そんなの心臓が持たない。
「もう、片時も離れたくない」
「私の戻る場所は、翔さんの隣だけですから。だってこれ、つけたでしょ?」
左手を彼に見せると、「そうだな」と頬を緩めて手の甲に熱い唇を押し付けた。